1. |
殺される (Shall Be Killed)
08:16
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いずれ訪れる
影が忍び寄る
暮らしの隅から
甘く饐えてゆく
またいつも通り
神の思し召し
長引く日照りに
嗚呼足らぬ祈りを贖わねば
虫の知らせか
梢のひとひらは
目蓋の裏に焼きついた
薺も枯れて妖しき MOONLIGHT
野辺も山辺も胸騒ぎ
やけに鴉の鳴き交う夜は
返す踵も反故にして
羊は鳴きもせず 贄行く支度する
縺れながらも 手折れる白無垢
壊れて夏を急く 四月の蝉時雨
蛻、熱を溢して
枯渇する
納屋の薄明かり
枝折戸が開いて
錆びつく地金と
濡れたポリ袋
生い茂る脚は
硬くいたわしや
空を突き刺したまま
天垂れを待ち泥に馴染む
ここまで来れば
苦しみのない穴
この世界では
出会う前から怨まれ
冷たい川の流れに
抗えずに
昏き海に降り注ぐ STARLIGHT
ここは地獄か極楽か
焼けつく喉 渇きを覚えて
僅か百七を躍る
晴れた空に
赤い
指を透かして
見える
光
生ぬるく湯気だち
塗れた床を舐める
綻び
生き別れた頭探して
傾く間を泳ぐ
こだまする口笛は暮れて
残る肉を嬲り急ぐ
西の茜空が
全てを焼き尽くし
成し遂げられる
またいつも通り
無惨に鳴り響く
村の祭囃子
御供に向かう者の
餞と
地軸は捻じ曲がり
海原荒れ狂い
山が割れるも
全部夢だった
それでも贄るとき
震える一声を
誰が聞き留めるのか
環の外側へ
名前も残さずに
並んで歪む
微かなこわばりも
敢えなくなし崩し
あわや逝きおくれ
色が消える
壁のように
春の陽気
とりも直さず呉れる
花もなく
撒いては散らす
どうして彼は
贄に取られる者を
見捨て給うか
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2. |
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生まれてきてから小中高
自由を手にしたつもりでも
一度交わした契約で
地獄の底までつきまとう
離れたくても
離れられない
もう沢山だ
THEY NEVER SET ME FREE!
ここ掘れ召しませ
私はあなたの犬です (ワンワンワン)
汗かき生きてる分だけ
奴らの血になる
繋がれた間で
「オマエ サイキン バンゴウ カエタヨナ」
「オマエ サイキン ジュウショ カワッタナ」
夢の中から地の果てまで
闇の中からどこからとなく
逃げたくても
逃れられない
もううんざりだ
THEY NEVER UNCHAIN MY LIFE!
ここ掘れ指差しゃ私に
手堅い報酬
べそかき涙の分だけ
首輪が締まるぜ
囚われたままで
際限ない献上 (BODY & MONEY)
毎月が苦しフィクティブ IN MY EYES
目的が? (VISION DISORDERED)
単純な軽作業さえ重労働
離れたくても
離れられない
もうよしてくれ
THEY NEVER SET ME FREE!
ここ掘れ召しませ
私はあなたの犬です (ワンワンワン)
汗かき生きてる分だけ
奴らの血になる
(繋がれたまま)
鎖で繋がれ生きるは
私の幸せ
べそかき涙が落ちたら
庭駆け回るぜ
絆されぬように…
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3. |
ミミズ (Earthworms)
05:47
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原始われらが球であり
物言わぬ柱であった頃の記憶
恐れなした神々によって
求め合う姿へと引き裂かれた
自らの傷口を辿れば
失った片割れを取り戻すだろう
それは暗がりの中で鮮やかな色をなす
天と地ほども離れた
私達の運命が
いつか二人を別つなら
太陽と月が隠した
同じはずの形が
遥か遠く生まれ落ちた
お前を壊す 螺旋の定め
お前を鎖す 螺旋の調べ
交信と変異に侵された
女神達のSingularity Game
ただ一つ と あまねく意味を
併せ持ち掻き分け続ける土の中で
嘲りを垂れる芋の眼に
雷を投げ返す
天と地ほども離れた
私達の運命が
いつか二人を別つなら
太陽と星々の子ら
砕け散った幻は
あらかじめ失われていた
お前を殺す 螺旋の定め
お前を鎖す 螺旋の調べ
雨は六月 破線を越えて
雨は六月 破線の外で
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4. |
オミキ (God's Sake)
02:29
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Learn to Fall
身を委ねて
高く高く空の
底へ
God's Sake
重力に囚われし魂を
解き放つ力
光と翼
罪深きわれらをお救い下さい
全てを棄てて
貴方へ還ります
その時感じる愛
貴方からの愛
首だけの自由が
耳から流れ出る
燃える肺が泡を喘ぎ
私から文字が消えて
一塊の蟲になる
その時感じる
愛
ッーー
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5. |
六試戦術偵察機 (Viper)
04:20
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暁に消えた彼女の機影
空は澄み青く 何も語らない
残された声は光を纏い
赤い天を仰ぎ 塵さえ残さずに
さあ踊りましょう 呼吸を合わせて
ここへは誰も邪魔に来ないわ
行く先は破滅 歯止めもきかず
逆巻く力はやがて宇宙を喰らう
世界の裏側 融け合う二人
歴史の礎 この身を捧げよう
さあ踊りましょう ワルツのリズムで
逝かば諸共 見初めた人も
さあ踊りましょう 呼吸を合わせて
ここへは誰も邪魔に来ないわ
さあ踊りましょう 愉しませてほら
壊れるほどに 激しく 強く
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6. |
埋葬 (Burial)
15:24
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鈍色の空を
見上ぐこともなく
塗り込めた膿に
胸を腐らせる
羽根のない蝶が
尚手繰り寄せど
風はつれなくて
車に轢かれ損ねる
こんな事が何度も
何度もあって
いつの間にか後ろを
そっと振り向く癖がついた
寄る辺ない嘘が
背中に焼けついて
赤く爛れては
隠しきれぬほど
誰にも言わずに
かわす昼下がり
消えたともがらの
骨を砕く音を聞く
こんな事はもう二度と
二度とごめんだよ
いつの間にか道の端を
ひっそり歩くようになった
緑安らぐ丘へ
きっと戻らぬ刹那
そこに眠ることを忌む声がする
霞みゆく現身と
拐かす苛立ちを
黄色い線の外側へ
黙って突き飛ばす
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